気密測定
皆さんこんにちは、スタッフNです。
先月の健康診断で、特定保健指導の基準値をクリア(オーバー)して、その場で「動機づけ支援」のワンランク上の「積極的支援」という5か月間の健康サポート支援プログラムが組まれました。
昨年までは診断結果が後日郵送で届き、その中に特定保健指導のお知らせが入っていたんですけど、今年から病院が変わって、まさかその場で現実を突きつけられるとは...
健康のため頑張るしかないですね。
という事で今日は、家の気密性能がその場で測定できちゃう、気密測定の様子をUPしながら、「高性能入門編」として耐震、断熱、気密を数字で考えてきたことをまとめたいと思います。
それでは早速、気密測定の様子から。
気密測定も毎回実施できているわけではないですが、その場で数値がわかるので、実施するときはドキドキしながら立ち会います。
気密測定は専用の機械で室内の空気を強制的に排出して、室内を「負圧」の状態にします。
排出を続けると、徐々に室内と室外で空気の圧力に差ができます。
空気は圧力の高いところから、低いところに流れていき、同じ圧力になろうとする原則を持っているらしく、外の空気がどこかしらの隙間から負圧(圧力の低い)の室内に入ってこようとします。
この時の気密測定でも、「シューーーー」って音をたてて空気が入ってくるのがわかりました。
侵入経路① 玄関ドア枠下
写真なので風が入ってきている説明が困難ですが、玄関ドア枠の下あたりから風が入ってきて、矢印の養生テープの切れ端がピロピロ風に揺れていました。
侵入経路② 配管まわり
今回測定した家は2階にお風呂があり、配管が2階から降りてきています。
その配管まわりから風が入ってきていました。
侵入部分が特定できれば、モルタルで補修したり、コーキングやハンディタイプのウレタン吹付スプレーで埋める等の対応が出来ます。
測定をすると、どこに隙間があるのかがわかりますが、こういった隙間は目視できる大きさではありません。言い換えると測定をしないとわからないのです。
気密測定の役割は、もちろん数値の測定ですが、施工品質の均一化であったり、向上につながっているのではないかと思っています。
まだまだ私たちも全棟で気密測定を実施できているわけではないので、大きなことは言えませんが、やったことがない工務店はやってみると何か発見があるかもしれませんし、やったことがある工務店は、徐々に測定件数を増やせたらいいのではないかと思います。
昨年から何回かにわたり「高性能住宅の基準」に関して個人的な見解を述べてきましたが、私の考える軸は一貫して健康・安全という部分です。
快適性や省エネ性に目を向けていないわけではないですが、健康や安全性に目を向けて家づくりをすると、結果的に快適性や省エネ性はついてきます。
性能の追求は、建築に携わる者として忘れてはいけない事ですが、何度も言うように工務店の自己満足になる事のないように「高性能」と「要性能」を区別するべきかと思います。
今まで私が述べてきた数値に関しても、世間一般には「高性能」というくくりになるかもしれませんが、私からしたら高性能住宅をうたっているつもりはなく、健康に、安全に暮らすために「必要な性能」だと思っています。
これから家づくりをされる方は、高性能という響きに惑わされず、耐震・断熱・気密に関して一歩踏み込んで性能値に関する質問をしてみるといいかもしれませんね。
今まで述べてきた個人的推奨数値をまとめておくと、
耐震⇒等級3(許容応力度計算)
断熱⇒UA値0.6以下
気密⇒C値1.0以下
となりますので、少しでも家づくりのご参考になればうれしく思います。
という事で、健康で安全に暮らすための建物の性能値を、健康診断で不健康だと証明された私が、熱く語らせてもらいました。