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数字で見る住宅 -隙間相当面積編-

2023/04/07

皆さんこんにちは、憂鬱なスタッフNです。
今年もあの時期がやってまいりました。
健康診断...非常に大切な事ですけどね...
少しでも体を仕上げておきたいのに、4/10というめちゃくちゃ直近で決まりました。
これはマズイ...特定保健指導コースまっしぐらです。
まだ数日あるので、最後まであきらめないで頑張ります。
今年はどんな数字が出るのでしょうか。

私の肉体数値はさておき、今日は昨年から何回かブログでやってきた、「高性能入門編の続きでもあり、最終項目でもある隙間相当面積についてUPします。

隙間相当面積とは

隙間相当面積とは、気密性能のことを表します。
家全体の隙間面積(㎠)を延床面積(㎡)で割ったもので、C値といわれています。
隙間の面積なのでC値は数字が小さいほど、隙間が少なく気密性の高い家という事になります。

このC値、いくつが望ましいか...という事なんですが、今までの「耐震」「断熱」と今回の「気密」には大きな違いがあって、義務化された基準値がないんです。
もともとは基準値もあってC値5.0以下であれば気密住宅、2.0以下なら高気密なんて言われていたんですけどね。

そもそもその過去の基準値が決して妥当な数値とは思えませんが、それよりもなくなってしまったことが問題かなと思います。
なぜなくなってしまったのか...調べるといろいろな書かれ方をしていますが、C値ってじつは結構な手間がかかります。
というもの、耐震や断熱の等級は計算して数値化しますが、C値は現場で測定をしないとわからないんです。

例えば、同じ図面・仕様の住宅を横並びに2棟建てれば、基本的にはその2棟の耐震等級や断熱等級は同じです。もちろんその計算は事務所でやります。
では、その2棟の気密性能は同じでしょうか?
これが同じとは言い切れないんです。
計算と違い、実測となると、数値は施工品質に左右される部分があります。
ちょっと大げさな比較ですが、キャリアをつんだ大工さんの建てた家と、私が大工として建てた家の気密測定をしたら、いくら私の手先が器用であっても多分...おそらく...いや、絶対大工さんの建てた家の方が数値はいいでしょう。

耐震や断熱のように計算式に当てはめて均一の数値が出せないので、検査機関としては厄介ですし、現場サイドも仕事に点数をつけられている感じですよね。
こうした背景もあり、もともとあった基準値がだいぶ緩かったのかなと思います。

ちなみに私はこのC値に関しては、できれば0.7以下くらいが理想ですが、最低限1.0以下ならいいという考え方です。
気密測定はその都度立ち会うようにしていますが、測定結果は0.6~1.0の間が多かった印象です。
あくまでも個人的な見解であって、0.5以下は必要だと言われる方もいるでしょう。
もちろん数値は小さいほどいいので、素晴らしい事だと思いますが、もし何か特別な予算をかけて、その数値を追求しているというなら、話は別です。
私は、一定数値以上は工務店の自己満足の領域だと思っていますので、特別な予算をあてることなく1.0以下の施工品質が当たり前に出せればいいと思っています。

もっと言えば、測定義務のない隙間相当面積(C値)を測定することが重要ではないかと思っています。レベルの低い話と思われるかもしれませんが、気密測定に関してはまだまだ未着手の工務店が大半です。

仮に立ち会った測定結果で2.0とか3.0とかの数値が出たら、私の場合どこかおかしな施工部分があるんじゃないかとチェックしてまわると思います。
遵守する基準があるわけではないのでC値2.0でも3.0でも、問題はないんですが、「いつもと何か違う」という異常に気付くことができるので、数値の追求ではなく、施工品質の確保という観点で、できれば気密測定を普段から実施して、自社の平均的な数値を把握しておけば、リスク管理にもつながるのではないかと思っています。

せっかく断熱が義務化されるのであれば、気密もセットで考えられたらいいのに...って個人的には思ってしまいます。
という事で、今回は文章ばかりで長々とすみません。
次回は気密測定をやったときの写真をUPしながら、「高性能」について総括して完結としたいと思います。