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数字でみる住宅 -断熱編- 

2023/01/13

皆さん、あけましておめでとうございます。
2023年初投稿となりますリバウンド王Nです。

中学時代夢中になったスラムダンクの映画を、小学生の息子と見てきました。
2人して熱くなり、Bリーグの試合まで見に行っちゃいました。
たまにチケット無料(先着順)のときがあるんです。2階自由席なんですけど十分。
試合会場の外に屋台も出ていて、屋台で買ったものを食べながら、試合を見る事ができるので、ついつい買いすぎてしまいました。
屋台ってズルいですよね...あの匂い、雰囲気、誘い文句...コンプリートしたくなる。
バスケの試合を見ているだけなのに、リバウンドを制する私...
ちなみに私の身長だと、統計的に最も病気になりにくい体重は67.4㎏らしいです。
76.6㎏以上は肥満という領域になるんですって...なるんですって...(ヤバッ)
この冬、体についたお肉は断熱材としての役割を果たすでしょうか...

という事で、今日は昨年からの続きでもある、高性能入門編の断熱等級です。

断熱等級は1~7まであり、非常に細かく分類されていますが、2025年から義務化されるレベルは、断熱等級4なので、1~3は新築不可レベルという事で今回はスルーして、4~7でどのくらいを目指していくべきかを個人的意見で述べます。あくまで個人的意見なので、参考程度にしてください。

まず等級がどのように決められているかということから。
外皮平均熱還流率という数値で等級が分類されます。
また難しい言葉出てきましたね...外皮平均熱還流率はUA値とも言われます。
外皮と言われる屋根や外壁、窓、床といった直接外気に触れる部分を通して、どのくらいの熱(わかりやすく言い換えると温度)が逃げていくかを数字で表したものになります。
逃げていく熱の量を数字にしているので、数字が小さければ小さいほど逃げていく熱量が少ない家、つまり断熱性能の高い家という事になります。
断熱等級とUA値の関係を、個人的見解を含めてまとめるとこのようになります。

ちなみに断熱性能の義務化と言っても、北海道と沖縄では寒暖の差がありすぎて、同じ基準で考えるわけには行きません。
そのためUA値は、全国を1~8までの8地域に区分して、その地域ごとに数値が変わります。

先ほどの断熱等級とUA値の関係図は、6地域の内容です。ちなみに北海道等の一番基準の高い1地域・2地域は等級4でもUA値0.46です。0.87では建築不可となります。

断熱性は高いほうがいいのは当たり前で、できる事なら等級7を...と思いますが、
なぜ、私が等級5ないし6を推奨するかというと、理由は2つあります。
 

理由その1 コストパフォーマンス性

断熱等級5までは大きなコストアップもなくできるはずですが、等級6からコストアップの幅が大きくなり、等級7ともなると、もはや高断熱をアピールしたい建築会社の自己満足の領域に感じます。
もちろんお施主様の強い希望や、納得が頂けるようなら、等級7は素晴らしいと思います。
でも、コスパを考えると等級5、できれば6かな...もっと細かく刻むと、等級6のUA値0.46まで届かなくても、UA値0.5くらいまでならコストアップ幅はそこまでいかないと思うので、個人的には、等級というくくりではなくUA値で考えたいところです。
 

理由その2 安全性

何度も言うように、「家は安全であるべき」です。
そして、「基準をクリアした家=安全な家」ではないという事です。
以前研修で3月に北海道の住宅を見に行ったことがあります。
家の中に入ると、熱くもなく寒くもなく、ものすごく心地いい感じでした。
その環境が、エアコン1台でつくられていたのに驚きました。
少なくとも6地域でUA値0.46を目指せば、十分な室内環境を作れるのではないかと考えています。
先日伺ったお客様の家はZEH住宅で、UA値0.58ですが、エアコン一台で十分あったかいって嬉しそうに話してくれたので、私の求める室内環境はつくれているかなと思いました。
あとは冬が終わったときに、どのくらいの光熱費がかかったかも検証したいところですね。
小さなエネルギーでその環境を作ることが重要なので。
 
高断熱ってきくと、なんかちょっと贅沢な仕様に聞こえるかもしれませんが、北海道の方々にとっては、命を守るための仕様です。本来必要な断熱に一体だれが「高」を付けたのでしょうか。比べる対象が低すぎるので、「高」の範囲が広がりすぎて、そうでもない断熱の家と、本当に高断熱の家がひとくくりに高断熱住宅となってしまっているように思えます。
国も近い将来、ZEH住宅を標準化していきたいという指針があり、それは断熱等級5の住宅を意味します。
もしかすると、2025年に義務化される等級4は、その先の未来に建築不可の等級になる可能性も十分あります。
断熱に関する取り組みは、ようやく動き始めたところですが、規制に合わせて進むのではなく、全ての住宅会社が本当に必要な断熱水準を推奨していけば、自然と底上げされると思うので、そうなって欲しいと思います...

という事で、今回は安全な暮らしに必要だと思う断熱水準について、安全ではない体重水準の私が熱弁させてもらいました。