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「ヒートショック」と日本の断熱事情

2022/12/09

こんにちは、寝不足スタッフNです

最近ホントに暗くなるのが早くなり、急激に冷え込んできましたが、サッカーW杯のおかげで、真夜中に熱くなっている方も多いのではないでしょうか?
日本代表のW杯は終わってしまい、悔しい結果でしたが、誇らしい結果でもあったと思います。ブラボー!ニッポン

冷え込む季節に熱くなったという話題から入りましたが、今日のブログは、この季節になるとTVなどでも取り上げられる、「ヒートショック」について“熱く”語りたいと思います。
ちなみに今回の内容は前回の続きでもある、「高性能入門編の断熱等級」へのプロローグ的なものとなっています。

「ヒートショック」とは

大きな温度の変化によって血圧が急激に上下し、心臓や血管に疾患が起こる事を言います。
冬場における浴室での事故が代表例となります。

ヒートショックが原因と思われる年間死亡者数は、交通事故で亡くなる方のおよそ5倍と言われています。
ちょっと古いですが、調べてみたらこんなデータがありました。1997年の世界のヒートショック事情を比較したものです。

実は日本の住宅の断熱事情は、世界的に見ても大きく遅れをとっています。
そこで日本でも、新築住宅の断熱基準(省エネ基準)義務化に踏み切ろうという動きが出ました。
その記事がこれです。

※日経新聞より
この記事の内容を一言でいうと、「2020年度から新築住宅の断熱性能(省エネ性能)を義務化しますよ」ってことです。
2020年度からってことは、それより前の記事なんですが、いつの記事だと思いますか?

なんと2011年9月の記事です。
すぐに全ての新築住宅の断熱性能を一定基準まであげるのは困難なので、2020年という長い準備期間を設けたわけです。

さて、現在2022年12月ですが、どうなっているのでしょう。
実はまだ義務化されていないんです。
2020年度の義務化直前に調査を行ったところ、義務化レベルに達していない新築住宅が半数近くあったため、義務化にしてしまうと、住宅業界は混乱してしまうからというような理由でした。

基準以下の住宅を平気で提案する住宅会社がたくさんあり、更にそこに照準を寄せて義務化を見送るって、なんで上に照準を合わせられないのだろうか...
「上」って言い方をしましたが、そもそも義務化しようとしているレベルも、1999年に制定された「次世代省エネ基準」と言われる20年以上前のもので、それでは不十分なレベルではないかとも言われています。

余談ですが、自動車の普及が進んだとき、死亡事故数が右肩上がりで増えていたようですが、自動ブレーキなどの安全機能を各メーカーが自発的に取り入れ始めたことで、近年はほぼ右肩下がりとなっているようです。
ちなみに、国産の新型車には衝突被害軽減ブレーキ搭載が義務化されたようです。

義務じゃなくても自発的に行動して、結果的に義務化になった業界もあれば、
10年以上前に義務化を唱えて、いまだに義務化されていない業界もある...
この業界の温度差...ヒートショックが起きちゃいそうなレベル。

耐震等級は1~3ですが、断熱等級は1~7まであるのでどのレベルを標準的に考えるべきなのかが難しいところですが、私は義務化レベル(※等級4)では意味がないと思っています。

という事で、次回はその断熱等級を少し深掘りして、「数字で見る住宅-断熱編-」をお送りしようかと思っています。